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 ■台風12号被害、JR西日本特急車の救出(甲種輸送)


台風12号の大雨による被害で那智川の橋梁が流出し、新宮駅に取り残されていた特急車両の「救出回送」が11月中旬に行われました。

きのくに線は台風災害後、9月17日には串本まで、9月25日には紀伊勝浦までの運転を再開しましたが、特急列車は白浜駅で浸水被害に遭ったオーシャンアロー(283系)1編成と新宮駅に取り残された3編成が営業に就けない状態の為、僅か2往復に減便をされていました。

自治体そして、紀南地方の主要産業である観光関係からの強い要望もあり、新宮駅の3編成を長駆回送し営業運転に就かせることになったからです。


しかし那智川橋梁は復旧工事の最中であり、テレビや新聞などのメディアでも報道されていたようにJR東海区間、名古屋臨海鉄道を経由し、東海道本線で京都
の向日町まで甲種輸送として、車両の救出が行われたのです。

大雨により新宮駅構内も冠水被害を受けましたが、幸いにも車両には大きな被害が無く自走可能な状態でした。
しかし紀勢本線のJR東海区間は非電化であり、電車単独での走行は出来ません。
また、東海道本線の電化区間も保安機器の関係上、自走が出来ない事から、貨物列車扱いとして甲種鉄道輸送(通称:甲種輸送)が実施されました。



牽引はJR貨物の機関車が行いますが、電車と機関車の連結器の構造が異なる為、直接連結することは出来ません。
今回は電車・機関車の双方と連結出来る構造を持つクモヤ145を両者の間に連結することで、対応を行いました。


▲クモヤ145の装備する双頭連結器。
  頭部を90度回転させることにより、自動連結器と密着連結器を使い分けることが出来ます。
 (写真では、自動連結器を使用し、密着連結器が横を向いている状態)


▲電車との連結部、密着連結器を使用。


▲機関車との連結部、自動連結器を使用。





■11月9日〜10日 クモヤ甲種

そのクモヤ145の送込み回送は11月9日〜10日かけて吹田から新宮へ向けて行われています。
吹田〜稲沢間はEF66 112号機、稲沢〜新宮間はDD51 875号機が牽引。

DD51 875号機は新宮着後、13日発の甲種輸送(オーシャンアロー編成))を担当しました。


▲紀勢本線、川添駅でキハ48の普通列車(328C)と交換するクモヤ145甲種。


▲三瀬谷鉄橋を渡るDD51+クモヤ3両。


▲単線区間の為、上下の交換と優等列車の退避を繰り返しながら新宮を目指します。
  すっかり暗くなった阿田和駅で338Cとの交換を待ちます。


▲新宮駅に到着したクモヤは機関車の入換えを行い、クモヤを1両従えてオーシャンアローに連結されました。
  そして12日の発車を待ちます。
  (オーシャンアローは10日夕方に、自走で留置線を移動して待機していました)


▲奥の留置線に待機していたオーシャンアローとの連結作業。






■11月12日〜13日:オーシャンアロー編成

283系A902編成+クモヤ145 1052+DD51 875

クハ283-502 +モハ283-2 +サハ283-202 +モハ283-302 +サハ283-2 +クロ282-2

※電化区間の稲沢〜向日町間はEF66 112



12日、オーシャンアローの甲種輸送が始まりました。
日が暮れる頃、新宮駅周辺にはそのシーンを記録する鉄道ファンや、一目見ようとする地元の市民が大勢詰め掛けていました。

19時前後の3番ホームでの列車発着(333C〜340C)を待って、オーシャンアロー編成がゆっくりと動き出しました。


一旦、鵜殿方に引き上げ、出発線に推進で入線します。 

▲出発線に据え付けられたオーシャンアロー甲種。
  しばらく報道向けの撮影タイムとなりました。


▲20時前、鵜殿方面から普通列車341Dが2番ホームに到着。
 
ほどなくして、甲種輸送列車の出発線の信号が青に変わりました。
 
報道陣や鉄道ファン、そして地元のギャラリーに見送られながら、京都へ向けて出発していきました。


▲尚、この日の341D列車は、旧ローカル気動車標準カラーに塗り替えられたキハ40 3005でした。

  所定では3番ホームに入りますが、この日は2番ホームに変更されており、 残った2両のクモヤとの並びが見られるという、サプライズもありました。







オーシャンロー編成の翌日にはスーパーくろしお1編成、翌週にはもう1編成のスーパーくろしお編成が同様に名古屋回りのルートで甲種輸送されました。


■11月13日〜14日

381系D654編成+クモヤ145 1201+DD51 1803

※電化区間の稲沢〜向日町間はEF66 120

クハ381-504+モハ381-50+モハ380-50+モハ381-51+モハ380-51+クロ380-3



■11月19日〜20日

381系D655編成+クモヤ145 1051+DD51 1028

※電化区間の稲沢〜向日町間はEF66 102 

クハ381-505+モハ381-35+モハ380-35+モハ381-52+モハ380-52+クロ380-5



▲11月13日、スーパーくろしお編成。
  牽引は全検出場後間もない、ピカピカのDD51 1803号機。

▲13日は、所定通りに3番ホームに341D列車が到着。
  出発線の信号が青に変わり、間もなく発車してゆきました。


▲11月19日、スーパーくろしお2編成目。
  牽引は1028号機。

  日中は強い雨が降っており、輸送が危ぶまれましたが、18時前に雨が上がりました。


▲同じく19日の甲種輸送列車。




こうして甲種輸送された車両は、京都から所属先の日根野電車区へ戻り、11月19日からの特急増発から営業運転に復帰をしています。
(紀伊勝浦まで2往復の運転を6往復に増発。)
そして12月3日の全線開通時には、新宮まで7往復運転の災害前の状態に戻ることとなります。



▲11月19日撮影の51M、日置川を渡るオーシャンアロー1号。( 12〜13日にかけて甲種輸送されたA902編成)

 日置川も台風の影響により川の流れが変わったように見えます。
 また橋脚には引っ掛かった流木が残っています。




2011.12.30
『紀伊半島のバスと鉄道』
管理人:尾仲英明



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